『ブラック・クランズマン』をもっと理解するための徹底解説!

分析・解説

 2018年に公開されたスパイク・リー監督の最新作『ブラック・クランズマン』。第91回アカデミー賞では脚色賞を受賞し、ほか5部門がノミネートされるなど注目を集めた作品です! アメリカの映画批評サイト Rotten Tomatoes では満足度が95%と観客からも強い支持を受けている映画です!

 今日はそんな『ブラック・クランズマン』の映画をもうすでに観た人向けに、疑問で思うだろうアメリカの文化や風習、KKKの儀式などを分かりやすく解説したいと思います! 

 

白装束の起源(KKK)

 まずはじめに、クー・クラックス・クラン(KKK)がなぜ白装束を身に着け、覆面をかぶるのかをつきとめていきましょう!

 KKKはそもそも南北戦争(1861~)後、南軍の英雄 “ネイサン・ヘッドフォード・フォレスト” のもとテネシー州で結成しました。70年代頃には55万人ほどが加盟していたといわれています。結束した理由は、奴隷たち(アフリカ系アメリカ人)に選挙権を渡さないことです。白人(特にWASPと呼ばれる白人)たちは有利な環境を保ちたかったのです。

 それには、奴隷たちに白人の力を見せつける必要がありました。そこで利用した一つが迷信による恐怖の植え付けです。この当時の奴隷たちは幽霊や魂の存在を信じていたといわれています。特に南北戦争の亡霊の存在を信じ、それらに怯えていた一面もあったといわれています。これを知っていた白人や奴隷主たちは、これらの迷信を利用して奴隷たちに恐怖心を植え付けようとしました。

 そして人種至上主義者たちは、白いシーツをかぶり覆面をかぶることで、白人や奴隷主たちの権威を表現し、奴隷たちに恐怖心を与えることができるのではないかと考えたことが起源とされています。

 

KKKが十字架を燃やす理由

 キリスト教を強く信仰するKKKがどうして十字架を燃やすのだろうかと疑問に思った方が多いのではないでしょうか。キリスト教の基盤がない日本人の多くの方には理解がしづらいことかもしれません。

 日本人は十字架を燃やす儀式や行為を、国旗を燃やしたりする反逆的なものと考えてしまいがちですが、そうではありません! キリスト教徒にとっては、十字架を燃やすことは明かりを灯す行為であって、宗教的な祝祭とされています。

 私が読んだ『ブラック・クランズマン』の原作中の言葉を引用させていただくと、十字架を燃やすということは

 キリスト教徒としての信仰心を表す名誉ある行動

ブラック・クランズマン, 2019, ロン・ストールワース著, P87 五章

 であるのです。この行動をすることで、消滅してしまって目に見えない組織がまだアメリカに存在していることを、世間に知らせる効果があり、ユダヤ系やアフリカ系アメリカ人を脅かしているのです。

 KKKから復讐を恐れさせる手段としてこれを用い、常にアメリカにはKKKのような組織があることを知らせているのです。

 

miniまとめ

 無数の小さな習慣や形式が重なり合って文化となっているため何が文化なのか定義することは難しいことだと思います。特にアメリカはさまざまな人種の人たちやそれぞれの文化が集まった多様性の持つ国です。そこには今なお残る様々な問題があります。

 2020年5月25日には、アメリカのミネアポリスで偽札使用の疑いをかけられたアフリカ系アメリカ人男性が白人警察官の不当な扱いによって命を落とした事件がありました。現在のアメリカでは、再び人種問題が顕在化してきたと言えるでしょう。

 正直アメリカの社会問題は日本人には馴染みの深いものではありません。しかしながら、相手のことを知ることは非常に大事なことであります。お互いの文化を尊重し、理解することがまず大事な一歩でしょう。

 そこで誰もが簡単に、相手のことや世界で起こっている問題などを知ることができるメディアが映画だと思います。映画を観て、様々な理解を深めていきましょう。その時にこの私のサイトを使って様々なことを知っていただけると幸いです。

 最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!

 

【参考文献】

ブラック・クランズマン』 2019, ロン・ストールワース 著

『アメリカ文化を学ぶ人のために』1999, 世界思想社, 川上忠雄

『アメリカ黒人の歴史』2013, 中公新書2209, 川上忍 著

【参照】

画像:フリー素材

 

 

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