映画『アイ・イン・ザ・スカイ』を観て、頭を悩まそう。

映画紹介

 2015年に公開された『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』は、現代のドローン戦争を描いた軍事サスペンス映画です。また、英語圏の映画批評集積サイトRotten Tomatoesの批評家支持率が95%に、観客支持率が82%と、両者から高い評価を集めている作品です。

 今日はそんな『アイ・イン・ザ・スカイ』の魅力をネタバレなしで紹介したいと思います!

 

思考実験:トロッコ問題

 皆さんはトロッコ問題(または、路面電車問題)をご存知でしょうか。これは1967年にイギリスの哲学者フィリッパ・フットが生み出した、道徳的ジレンマを問う思考実験です。この問いは、分岐点にいる制御不能のトロッコを操縦する運転手(あなた)に問いを投げかけます。

A : このままトロッコをまっすぐ走り続けた場合、その先で作業をしている5人の作業員たちは死んでしまいます。しかし、別線路先で作業をしている1人は助かります。

B:トロッコの進路を変更すれば、5人の作業員たちは助かります。しかし、別線路で作業している1人は死んでしまいます。

 さて、運転手のあなたはどうするべきだろうか。と倫理的問題を突き付けてくるのがトロッコ問題です。このトロッコ問題は以後、数多くの学者によって様々なバージョンが生み出されていきます。

 重要なことは、シチュエーションによっては、正しいと感じるものに差異が出てくるということです。例えば、運転手ではなく線路をまたぐ歩道橋の上にいるあなたを考えてみてください。5人の命を守るために、歩道橋にいた太っている人ひとりを突き落とし、制御不能のトロッコを止めた場合はどう感じますか⁉ 1人を殺して5人を助けるというものだけでも、状況によって是非が分かれてくると思います。

 

トロッコ問題を軍事サスペンス映画に

 トロッコ問題は複雑な現実問題をシンプルに考えるための道具(思考実験)です。そんなトロッコ問題をドラマ化した軍事サスペンス映画が『アイ・イン・ザ・スカイ』です! この映画では、現代のドローン戦争を描いています。

 ドローンを使った戦争では、しばし誤爆巻き添えで民間人が多くの命を失っていることが問題になっています。今回の映画もここに焦点が当てられています。

 ドローン技術を使えば、空からテロリストたちの動きを把握することは可能です。絶好のチャンスをつかむことも容易になったかもしれません。しかし、絶好なチャンスのために民間人を犠牲にするのはあっていいことなのでしょうか。でもそのチャンスを逃せば、テロ行為でもっと多くの民間人の犠牲が出ることになります。

 この映画は戦争アクションのようなシーンはなく、まさに上記のようなトロッコ問題をドラマ化したサスペンス映画です。登場人物(軍事関係者)が直面する現代のトロッコ問題を描いているのです。

 

『アイ・イン・ザ・スカイ』で考えよう。

 現代はグローバル化が進んだこともあって、異なる文化や思考の理解(=寛容性)が重要視されています。これはとてもいいことだと思うのですがその反面、「受け入れること」がいいこととされて、物事を筋道立てて考える能力が低下しているといえるのではないでしょうか。

 そこで現代のトロッコ問題を描いた軍事サスペンス映画『アイ・イン・ザ・スカイ』を観ることは、とても重要なことだと思います。

 トロッコ問題は、哲学や心理学など様々な視点からの議論が可能です。現代のドローン戦争を通して、様々な視点からこの映画を批評(アプローチ)してみましょう!

  

 この記事を読んで、『アイ・イン・ザ・スカイ』の魅力を感じてくれたらうれしいです。最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

【参照】

全ての画像:フリー素材

【参考文献】

正義は決められるのか? , トーマス・カスカート著, 2015, かんき出版

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