『テルマエ・ロマエ』 ”平たい顔族”の入浴文化を徹底解説!【銭湯に関する豆知識多め】

分析・解説

 2012年に公開された『テルマエ・ロマエ』は、古代ローマのテルマエ技師が日本へタイムトラベルをし、発展した日本の ”入浴文化” を学んでいくSF・コメディ映画です。

 今回はそんな『テルマエ・ロマエ』に登場した

”平たい顔族” の銭湯愛用アイテムや、日本独自の入浴文化を、

外国人に紹介できるレベルでわかりやすく解説したいと思います!!

けーてぃー
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無駄な雑学メインです!

 

映画解説

恐るべし”平たい顔族”の原点

 古代ローマ時代の人々を幸せにしてきた日本独自の入浴文化。テルマエ技師のルシウス(阿部寛)も驚いた、日本の発展した入浴文化の原点を解説したいと思います!

 日本の入浴文化には、日本人の信仰心(仏教と神道)が大きく影響しています。日本人は古来から、山には山の神といったように万物に神の存在を見出してきました。

 大自然からの恵みを大切にしてきたのです! その恵み・豊かさのもとになっているのが水です。水は聖なる存在として考えられていました。

 そのため、風習として沐浴があります。昔から水を浴びることで心身を清めていたのです(=みそぎ。滝に打たれることもこの禊が多様化したものと考えられています。

 その風習を後押ししたのが仏教の伝来です。仏教の教えの中には、僧侶そうりょ(出家して仏門に入った人)が守るべき規律として、水で心身を清めるということがあります。

 仏教の教えに従い、寺院の中には心身を清めるための浴室や温室が建てられるようになります。初めは、僧侶や教えを聞きに来た民衆だけにそれらの部屋を開放していましたが、民衆の口コミによって広まり、それらを無料開放する「施浴」が始まります! 

 民衆にとってはわざわざ川に行かなくても心身を寺院の浴室で清めることができ、国家にとっては仏教を広めるにも貢献したというWin-Winの関係です。

 この施浴を始まりとして、入浴が文化的な日本独自のものになっていきます。原点は、水を神聖なものとしていた当時の日本人の心にあったのです!!

  

”平たい顔族”独自の入浴文化

 生活様式や、顧客のニーズに合わせて発展していった日本独自の入浴文化ですが、知っておけば『テルマエ・ロマエ』をもっと楽しめたり、銭湯に行くことが楽しみになったりする、当たり前すぎて気づかない日本の入浴習慣やアイテムがあります!

頭にのせるタオル

 ルシウス(阿部寛)が注目した日本の入浴文化の一つが、開放的なテルマエです。確かに、日本の温泉や銭湯は家の浴室と比べても開放感が圧倒的に違うと思います。

 しかし、日本のテルマエが開放的になったのは比較的最近のことなのです! 江戸時代のころまではずっと、戸の開け閉めや開放感のある空間は、湯気が逃げると考えるのが一般的で、できる限り密閉された空間で全身温まる入浴を楽しんでいました(蒸気浴)。

 明治頃になってやっと、今の広い空間で入浴を楽しむスタイルが定着します。広い空間では、もちろん湯気は逃げてしまします。

 お年寄りや薄毛の気になる方は、頭が少し冷えて感じたかもしれません。そこで、お湯で温めたタオルを頭の上にのっけて、体全体を温めていました! これが銭湯の広告として使われ、広く知れ渡り、日本人の入浴文化の当たり前まで定着したのです!!

広告スポットとしての場

 ちょっと前まで、TVやラジオ、ましてやYoutubeやTikTokは私たちの生活にありませんでした。そこで、多くの人々が集まる銭湯などの公衆浴場が広告スポットとなっていました!

 今では考えられないかもしれませんが、脱衣所に映画のポスターまで張られていた時期もあります。富士山の壁画の下や、桶まで広告が張られていたのです。

 映画で登場した東京の銭湯⁉ にも様々な広告がありましたので、もう一度見る際に注目してみてください!!

富士山の背景画

 これもテルマエ技師ルシウス(阿部寛)が注目したものの一つです。今では銭湯の象徴的存在にもなっていますが、大正頃までは壁画など一切なく、殺風景な浴場でした。

 その富士山の風景画は東京の「キカイ湯」という銭湯が発祥です。「キカイ湯」が増築する際に経営者は、「子どもたちも喜んでお風呂にはいれるように何かできないか」と考えたときに、絵を描くことを思いついたそうです。なぜ富士山かというと、富士山は絵を頼んだ画家のふるさとの風景でもあり、日本人誰もが魅了するだろう風景だからだそうです!

 誰かを楽しませたいという当時の想いが、今の当たり前になっているのです!

 

miniまとめ

 情報交換の場、疲労回復効果、健康のためと様々な用途で昔から馴染まれていた日本の公衆浴場。意識しても気づかない日本人独特の入浴文化に、働く人日本人の想い。これらを中心に記事にしてみました!

 映画を観て、記事を読んで、温泉や銭湯の楽しさが少しでもアップしたり、行きたいと思ってくれたら嬉しいです! 最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

     

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けーてぃー
けーてぃー

この記事は、銭湯検定の資格持ちの視点で、銭湯を分析!!

   

【参考文献】

銭湯検定公式テキスト1改訂版, 2020, 町田忍 米山勇監修, 草隆社

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか, 竹田恒泰, PHP新書

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